メタバース接客、3Dアバターへオペレーターの表情を即時遠隔伝送

サイバースペースに写実的な小宇宙を構築する。「メタバース」は3次元の仮想空間やそれを用いたサービスであり、昨今、商業的色合いが濃くなりつつある。CEOが自らの3Dアバターを使って事業ビジョンを発表したり、テレワーク社員同士が自身のアバターで企画会議をしたりといったことが始まっている。

今月13日、NTTドコモは、3Dアバターへリアルタイムに表情を反映し伝送する遠隔接客システムを開発したことを発表した。接客中のオペレーターの表情を仮想空間のオペレーター役へ即時伝送する。同システムでは、その人の表情を一般的なWEBカメラで手軽に取得でき、VR機器を介した没入感のある接客体験が提供可能となる。顧客はVR機器やPC・タブレットを用いて3Dアバターによる接客を受ける。

従来のアバターによる接客とは異なり、オペレーターの表情が常時反映されるため、より対面接客に近い感覚が得られる。「リアル」「デフォルメ」2種類のテイストを選べて、シーンや業種に合わせた対応が可能となる。アバターや表情表現に米国Pinscreen社の技術――フォトリアルなアバターの顔を生成できるニューラルレンダリング技術を、ドコモがVR上でのコミュニケーション技術に応用して、写実的な3Dアバター表現を実現している。

スマホ・タブレットを介する場合も、レンダリングをシステムのサーバー側で行いストリーミングするため、端末スペックに依存することなく高品質なアバターを利用できる。同システムは、上記表情伝送と音声通話のほかにも、画面共有や文字チャットなど接客応対に必要となる機能を備えている。今後、実際の接客シーンでのトライアルを踏まえながら商用化を目指していく。リモート接客のしくみは働き方改革や地方創生に貢献するという。

ドコモは"NTT XR"の取り組みの1つである同システムを、「docomo Open House'22」にて紹介する。