顔の印象をAI分析、"オンリーワン"の化粧パレットを提案する

EC市場が急拡大している。消費者の購買行動が大きく変化するなか、小売業でもAIやIoTなどの情報技術およびデジタルデータを活用して、新しい顧客体験を提供することが注目されている。そこで顧客とのあらゆる接点を意識し、顧客体験価値の向上に注力――。

化粧品業界においては、コロナ禍中に登場したセルフ型の顔分析ツールの採用が進みつつあるものの、現状ではそれらAI系の分析結果が購入にうまく結び付いていないことが課題だという。凸版印刷は、AIで一人ひとりの顔を瞬時に分析し、分析結果に合わせてパーソナライズされた複数の商品を組み合わせて、その場で自販機のように提供できる什器「AIレコメンドベンダー™」を開発。今月より同製品の本格運用を開始した。

顔の印象分析をもとに、個々の利用者に最適化された複数の商品を組み合わせられる。名入れ機能も実装されていて、パーソナライズされた世界で1つだけのオリジナルパレットを非接触で提供できる。同製品は現在、カネボウ化粧品の化粧品ブランド「KATE」の「KATE iCON BOX」に採用されている(1/12~2/8設置店舗:@cosme TOKYO)。そこでは分析結果に合わせて、26色の単色アイシャドウから4色を提案・カスタマイズできる。

約35万通りの色の塗り方の組み合わせから、オリジナルのアイシャドウパレットを提供できる。「KATE iCON BOX」専用に独創デザインされたパッケージの中のアイシャドウ保護シートにはアルファベット・ひらがな・カタカナから12文字までの名入れができる。さらに、上記分析結果と、提案されたオリジナルパレットの画像は、スマホに保存して持ち帰ったり、SNS等でシェアしたりできるという。

凸版印刷は今後、化粧品業界にて同製品を拡販し、より広いエリアで新たな顧客体験が可能となるように展開する。2025年までに全国で100台設置していく考えだ。