1kmメッシュの日射量予測データで、インバランスリスクを低減する

2050年カーボンニュートラルの実現をめざす。日本では今年4月、売電価格に一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進する「FIP制度」が始まる。インバランス制度の改正やアグリゲーターのライセンス制度の開始も予定されている。

FIP制度下では、計画値と実績値の差分に対するペナルティが生じる。インバランス料金制度もより厳格になることから、誤差が売電収支に大きく影響する(参考:資源エネルギー庁Web)。そのスタート地点に立った電気事業者は、発電量ならびに電力需要の予測精度向上が急務となっている。それらを高い精度で予測する際、日射量、気温、風などの気象データの予測精度が重要になる。

そこで、日射量データの予測精度を一般的なものと比べて11%向上させるとともに、独自の太陽光発電量予測モデルを根本から見直し、新たな太陽光発電量予測モデルを開発したという。ウェザーニューズは12日、企業のDXを推進する「WxTech®」において、電気事業者向けに1kmメッシュの高解像度な日射量予測を用いた太陽光発電量予測データのAPI提供を開始した。

WxTech® for Energyのデータセットでは気温、気温EPI(誤差幅指標)、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量、風向、風速、降水量、天気、積雪などの予測・実況データを1kmメッシュで取得できる。電気事業者はクラウド保存された気象データをAPI等で取得可能となり、データの閲覧や保存だけでなく、既存の需給管理システムなどとの連携も容易に。時間前市場やスポット市場での電力取引等に活用してほしいという。

同社は20年12月の電力市場向け気象データセットの販売開始時から、無償トライアルを提供している。現在も電気事業者様の新規事業での利用を中心に、多数の問い合わせが寄せられていることから、期間限定のトライアルを22年度中も継続する。