産地から消費者までのフードチェーンをDX、食品ロスの削減へ

農林水産省の推計によると、国内における食品ロス量は令和元年度時点で570万トン。事業系と家庭系がおよそ半々ずつを占めている。

その削減には企業と消費者の協力が不可欠だとわかる(公表値:同省プレスリリース)。今日、モノやサービスの利用を通じた社会貢献への関心は高まっていて、実際に参加する消費者が急増することが見込まれる。国連SDGs"12つくる責任つかう責任"に貢献したいと考える消費者が増加するとともに、そのニーズを捉えたい企業側の取り組みが一層活発化するものと予測されるという。

日本総研イトーヨーカ堂今村商事サトーシルタス凸版印刷日立ソリューションズ西日本は、SFC構想研究会の活動として、産地から小売店舗、消費者までのフードチェーン全域を3領域に分け、それぞれ食品ロス削減に関する実証実験を東京都内で行う。経済産業省委託「令和3年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT技術を活用した食品ロス削減の事例創出)」を一部活用して各実証を実施する。

産地~小売店舗(実証実験①)では、イトーヨーカドー曳舟店において1月12日~31日の計20日間、青果物が持つ様々な情報のうち、これまであまり利用されてこなかった情報(収穫時の状態や形や色味等)を活用した新たな価値を消費者に提供する販促を店頭・スマホで実施し、食品ロス削減への効果を検証する。小売店舗(実証実験②)ではさらに2月9日~28日を加えた計40日間――

賞味・消費期限別に在庫を可視化し、電子棚札を活用したダイナミックプライシング導入による業務効率化と食品ロス削減への効果を検証する。そして、小売店舗~消費者(実証実験③)では、購買データや消費・廃棄データを「健康」の切り口で活用しつつ食品の購入・調理・保管を支援するサービスを20~60歳代の参加者約100名に提供し、家庭内での食品ロス削減効果を検証する。