交差点をDX、4K映像をプライバシー保護かつ5G伝送して安全等に

少子高齢化や都市部への人口集中、インフラの老朽化など様々な社会課題を抱えている。日本において、誰もが安全・安心に自由移動できる技術の開発に取り組んでいるという。

NECは5GやAI、4Kカメラ等の先進技術を活用して、交差点の高精細映像を5GとMEC(エッジコンピューティング)にて低遅延伝送し、各種AI技術を用いて、車および歩行者の「交通状況測定」、人物の倒れ込み・害獣の進入等の「インシデント検知」、撮影映像に対する「プライバシー保護対応」をリアルタイムに処理する実証実験を3月15日まで行う。

内閣府PRISM・官民研究開発投資拡大プログラムの一つ「令和3年度 交通信号機を活用した第5世代移動通信システムネットワークの整備に向けた調査検討」に参画して実施する。同実証実験は、信号柱に設置されたローカル5Gを活用し、4Kカメラの映像を伝送するという内容で、秋田県秋田市大町4丁目の交差点では1月6日より、東京都新宿区西新宿1丁目の交差点では1月24日以降より実施する。

「交通状況測定」では、NEDOの交通流解析アプリ(参考資料P.25)を用いて、高精細な4K映像から交通状況測定の実現性を検証する。歩車分離式交差点の交通効率向上、自動運転車を含む走行中の車両に対する注意喚起への応用を想定している。「インシデント検知(秋田市のみ)」では、カメラ映像から交差点付近での人の倒れ込みや熊等の侵入等の検知を検証する。人の倒れ込み検知には同社の「オンデマンド行動検出」を使用。

将来的には、インシデント発生時に交差点のカメラを用いて迅速に状況を確認・対処する等の街の安全性向上や、地域特性に合わせた都市マネジメントに活用することを想定している。また、「プライバシー保護対応」として、映像中の人物の顔部分をリアルタイムで覆い隠す技術を検証するという。同社は、インフラ協調による新しい道路交通を実現していく構えだ。