タクシー乗り場の状況を見える化、利便性と行動最適化に生かす

情報技術(IT)の浸透によって人々の暮らしがより良い方向に変わっていく。デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目される昨今、早く便利にして欲しい仕組みはわれわれの身のまわりに沢山ある。各種移動手段、いわゆる「モビリティ」に関わる変革もその一つだろう。

けれども1社単独では解決が難しい社会課題もある。それらや次代の公共交通のあり方についてオープンなイノベーションを実現する場として'17年9月に「モビリティ変革コンソーシアム」を設立した。JR東日本と、日立およびDXCは今月5日から来月8日まで、二次交通の結節点である東京駅にて、「タクシー乗り場需要の可視化による交通行動の最適化実証」実験を行う。同コンソーシアムの取り組みの一つとしてこれを実施する。

今回、実証実験Webサイトより、東京駅八重洲口タクシー乗り場の「リアルタイム混雑状況」「タクシー予想待ち時間」などの情報提供を行う。同乗り場付近にカメラを設置し、撮像データを取得・解析――利用者数カウントと現況の可視化のみに使用したのち即時破棄――することで、乗り場の混雑情報を当該Webで提供可能とする。お客さんは、タクシー乗り場に到着する前に、混雑情報を把握でき、目的地までの行動計画が立てやすくなる。

個人情報は保存されない。実証画面にはプライバシー加工が施された画像データを配信する。実証実験のしくみは、JR東日本グループの各スマホアプリ「Ringo Pass」「JR東日本アプリ」、「東京ステーションナビ」(iOS版Android版)と連携する。

「すべての人が、安全に、より便利で楽しみのある移動サービスを享受し続けられる、豊かな社会の実現」を目指している。同コンソーシアムFuture Mobility WGでは、上記実証実験において、顧客やタクシー事業者等のニーズ、行動変容を検証し、社会実装に向けた検討を推進していくという。