小売業において、「最適な品揃えの追及」はとても重要な戦略課題である。それを実現するには、日々変化する顧客のニーズや購買行動などに対応した"棚割り"の作成が必要不可欠だが、それとて容易ではない――
カテゴリーごとに数百ある昇格・降格商品候補の組み合わせを複数の判断条件から決め、売れ行きに応じて商品を入れ替えながらスペース配分を行う。当該業務は、組み合わせパターンが膨大になるためマニュアル化しづらく、棚割りの商品の決め方が属人的になりがちである。売上効率を向上できる組み合わせの実現、および再現が難しいという。エクサウィザーズとスギ薬局は今月5日、「品揃え最適化AI」を共同開発したことを発表した。
調剤併設型ドラッグストア「スギ薬局」で同AIの運用を開始した。全国約1,450店舗の利用客の購買行動や地域特性を踏まえて、多くの商品カテゴリーと、各カテゴリー数百に及ぶ商品種別から棚割りに向けた品揃えパターンを人力作成していた業務を、同AIで標準化することで一定の売上増加が見込めた。導入前のシミュレーション結果をもとに、今後はスギ薬局全店舗において、このしくみを活用した陳列商品の最適化を行っていく予定だという。
小売現場における能率・生産性アップと、より良い顧客体験の提供を支援する。同AIは、数理最適化技術を用いることで、膨大な商品数から売上効率を上げる商品の組み合わせを自動算出できるようにする「品揃えパターン生成」機能と、過去の商品の購買情報を基に商品の代替可能性を分析し、カットしても売上に影響しづらい商品を決定する「代替可能性分析」機能とにより、小売業視点での「最適な品揃えの追及」を達成するという。
エクサウィザーズは、「品揃え最適化AI」を通じて、最適な品揃えの追及および売場生産性の向上を実現することで、小売業におけるより良い顧客体験の具現化を支援していく考えだ。