観光地をDX、新たな体験と地域活性化につながるMaaSにて

IT(情報技術)を駆使して人々の暮らしや各種産業のしくみをより良くしていく。デジタルトランスフォーメーション(DX)があちらこちらで話題になる昨今、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の研究開発も盛んになっていて、この新たな移動手段・サービスは、まちの活性化などにも生かされ始めている。

今月22日、ゼンリンは、同社のマイクロMaaSの取り組みの第一弾として、長崎市の観光型MaaSの実証実験を開始した。この実証実験では、旅マエの観光客に、同市の観光の魅力である街歩きを楽しむための情報を――地域(Local)を、道(Street)や駅(Station)から散歩(Stroll)し、滞在(Stay)することであなただけの物語(Story)につなげたいという想いを込めた――Webサイト「STLOCAL」と、Instagramで発信する。

さらに来春には、同サイトの情報と連携し、観光や移動をスムーズにし、長崎市を"過ごす"ように楽しむためのスマホアプリの提供を始める予定で、これにより、公共交通・観光施設・体験アクティビティ等のデジタルチケットの販売を開始する。そのプロトタイプを25日(土)・26日(日)に、「ながさきICTフェア2021」にて初公開する。

それら一連の実証を通じ、「人の行動」を喚起することによる地域活性化につなげ、Webサイトとアプリとの連携で、長崎市の観光の体験価値の向上に寄与することを目指す。

地域が持つ地形・歴史・文化をストーリーとしてつないだ周遊ルートを整備し、街歩きのために公共交通を便利に使えるツールを提供する。利用者がその地域の魅力を再発見し、移動の楽しさ、便利さを覚える。"わくわく"を定着させることで、滞在型観光およびリピーターの増加を図る。同社は、長崎市における上記実証実験を皮切りに、それを地域創生の一翼を担うMaaSビジネスとして全国展開していく考えだ。