社員の健康・メンタルヘルスへの取り組みがリモート雇用の鍵

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の終息見込みが立っていない。現在、変異種のひとつ、オミクロン株が世界的に拡大しつつあり、社会活動の許容範囲が不明瞭になっている。そのため、企業は、リモートワーク制度を継続する必要に迫られている。

一方、事業拠点地域の外から積極的にリモートワーク前提の人材を雇用する企業はそれほど多くない。すでにそれを実践している組織は、より多数かつより優秀な人材にアクセスすることを圧倒的な理由として、そのような戦略を採用している。この先労働人口の減少が避けられない日本では、COVID-19の流行状況に関わらず、この新たな雇用手段が続いていく可能性は高いという。

エンワールド・ジャパンは、フルリモートワークを前提とした人材の採用つまり「リモート雇用」に関するアンケートを行った。同調査の結果、「5割の企業がリモート雇用実施・検討中、日本国外からの雇用も進む」「リモート雇用を行う理由の第1位は『事業拠点地域外から優秀な人材を獲得するため』」「リモート雇用の最大の課題は『従業員の健康・メンタルヘルスのフォロー』」といったことを明らかにした。

リモート雇用地域の範囲は、「日本全国」が最多で全体の約5割、次いで「特に定めていない」が3割であった。「国外(時差4時間未満)」「国外(時差4時間以上)」が計5%で、諸外国からの雇用が進む企業も見受けられたという。リモート雇用時の課題は「従業員の健康・メンタルヘルスのフォロー」が最多で全体の約5割。企業にとって社員の心身を健康に保つ取り組みが重要であることがうかがえる。

「研修やオンボーディングのオンライン実施による内容理解・定着の低下」と「従業員の帰属意識の低さ(離職しやすい)」が約3割と、非対面での従業員のエンゲージメントに関する課題も認められる。ほかには、「オフィスの縮小・撤退は3割未満、昨年の6%から増加」したという。