都心部で営業する路線バスを自動運転化、無人での運賃収受等も実証

交通事故死者数ゼロを目指す。世界一安全・快適な道路交通を実現するとして、自動運転系の様々な取り組みを政府が推進している。だが、「トンネル・半地下・高層ビル群」が多い都心部では、現在車両制御の軸となっているGNSSが働きにくい。

GNSS信号が届かないケースもある。そのような環境下での自動運転バス運行を見据え、LiDAR(光検出&測距)のみでも走行可能なシステムを開発・検証するという。あいおいニッセイ同和損保およびMS&ADインターリスク総研は、東京都の「令和3年度西新宿エリアにおける自動運転移動サービスモデルの構築に関するプロジェクト」において、来年1月より複数社と共同で実証実験を行う。

国内先行事例となる「都心部の公道・営業ルート」での自動運転による営業型路線バスの運行を行う。また、無人運転路線バスの課題つまり運賃収受の解決に向けた顔認証技術の実証や5Gを活用した遠隔監視映像データの送受信を行う。今回のプロジェクトに参画する企業と各役割は――

京王電鉄バス京王バス「プロジェクト運営、自動運転バス運行主体」、日本モビリティ「自動運転技術の提供」、京王電鉄「その他技術全般」、あいおいニッセイ同和損保・京王観光・MS&ADインターリスク総研「自動運転実証実験に係る保険提供、実証実験におけるリスクアセスメント実施」、ソフトバンク「通信ネットワーク整備」、日本コンピュータビジョン「顔認証デバイスの提供」、ボールドライト「デジタルマップの構築」

上記実証実験での取り組みを通じ、営業型自動運転バスの運行を安全面からサポートし、安全安心なモビリティ社会の実現に貢献することを目指す。MS&ADインシュアランスグループの両社は、安全性・利便性を向上させながら、各地域が抱える移動課題の解決に向け、地方自治体や交通事業者らとともに、無人自動運転移動サービスの全国展開・社会実装を進めていく考えだ。