生産現場DX、稼働設備の温度を常時モニタリングして自動化等へ

多彩な分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されている。生産性の向上や各種プロセスの効率化等に寄与するDXは、現場の声を反映してこそ威力を発揮する。たとえば生産現場において、設備稼働状態の監視の自動化はデジタルマニュファクチャリングを進める上で不可欠だ。

顧客の"みたい"というニーズに応えるソリューションを提供することで、将来的な社会課題の解決に貢献することを目指している。その中のひとつとして、ドイツの関係会社MOBOTIXのサーマルカメラを利用した温度の"見える化"技術への取り組みがあるという。コニカミノルタは、エッジサーマルカメラによる温度の連続測定データを保存管理する「FORXAI Temperature Monitoring App(TMA)」を開発した。

TMAは、同社の強みであるセンシング技術を活用したIoTシステムで目に見えない温度を捉え、カラーマップ化する。生産設備の一般的な温度センサーは「点の温度データ」測定・モニタリングに留まるが、TMAでは-40℃~550℃対応サーマルカメラを用いて設備の表面温度を多くの測定点による「面データ」として取得できる。時系列に表面温度を追跡し、広範囲にわたって設備の状態をモニタリングすることもできる。

また、「火災予防ソリューション」では、異常温度の設定時に適切な閾値を割り出すためのデータが不足――従来そんなケースが多かったが、TMAの導入により、モニタリング対象の温度履歴から定常状態の把握が可能となり、実データに基づいた閾値の設定を支援する。TMAを利用すれば最大4台のサーマルカメラを一括管理でき、温度測定領域の設定が容易になり、温度情報の統合管理が実現する。

画像IoTプラットフォーム「FORXAI」のアプリケーションであるTMAは、今月22日からコニカミノルタジャパンが提供し、その後海外へも展開されていくという。