店名が不正確であったり、店舗の所在地がわからなかったりする従来のカード決済データは、活用するには精度が低く、その利用も困難であった。そのため、「カード利用者への販促アプローチができない」「マーケティング戦略が打ちにくい」といった声があげられていたという。
TISおよびセカンドサイトアナリティカは、琉球銀行と共同して、決済データとAIを活用した「加盟店情報付加エンジン」のPoC(概念実証)を行った。同エンジンの活用によって、リアルタイムでユーザーの詳細な行動情報が取得でき、販促での利活用が可能になるという。同銀行は6年前から「りゅうぎんVISAデビットカード」を発行していて、当該カード事業の業務システムと運営業務でTISの「ブランドデビットプロセッシングサービス」を利用している。
PoCにおいては、同エンジンを用いて加盟店情報を付加した結果、EC取引を除く全取引の80.4%に対して正しく情報付加をすることができた。また付加情報を用いた分析を行うことにより、これまで見えてこなかったカード利用者の併買傾向や行動履歴が把握できることを確認したという。
今回の成果をもとに、両社は、「加盟店情報付加エンジン」をTISのデジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE」を構成する上記サービス、ブランドプリペイドプロセッシングサービス及びクレジットカードプロセッシングサービスのオプション機能として提供していく予定であり、同エンジンを核とした国際ブランドカードのイシュア・アクワイアラへの加盟店情報提供サービスとしての展開も検討していく構えだ。