知財領域DX、人工知能を活用してIPランドスケープの実現を加速

人間、地球及び繁栄のため、すべての国連加盟国は17のSDGs(持続可能な開発目標)を達成すべく尽力している。今日、その企業では、燃料・原料双方における化学資源からの脱却や、脱炭素戦略を盛り込んだ「サステイナブルな社会」に貢献し続けることへの――

転換を図るため、競争力の源泉となる研究開発での時流や目的にあった技術動向の予兆分析が喫緊の課題となっていた。そこで、中期経営計画に「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」と掲げ、適切で質の高いテーマ創出に注力していくため、特許などの知的財産分析を企業の経営判断に生かすIPランドスケープの確立を推進してきたという。

日本ゼオンと、日本IBMは、前者が持続可能な社会に貢献し続ける経営を推進する上で重要となる、IPランドスケープの実現を加速させるため、知財に関わる領域のDX化を進めることで合意。3ヶ月の実証期間で新たな「ものづくり」に繋がる着想が得られた、「技術動向予兆分析システム」を今月より稼働させている。同システムは後者のAIであり複合的な検索・テキスト分析のプラットフォームである「IBM® Watson Discovery」を活用している。

10万件超の膨大で複雑な特許データを効率よく網羅的に解析することで、移り変わる市場や需要、技術トレンドの予兆を的確かつ迅速に捉え、全社で目指す姿/上記ものづくりに繋がるアイデアを導き出すことが可能となる。日本ゼオンは今後、同システムを活用することで分析結果を基にR&D領域の潜在的なニーズを把握し、社会課題等の探索を中心に実装。ユースケースの幅を拡大し、より市場に必要とされるサービスの早期創出もめざしていく。

一方、IBMは、より良い未来づくりに生かす「Good Tech」を全世界で推進し、顧客とともにサステイナブルな社会の実現に取り組んでいく構えだ。