デジタルツインで物理空間のロボットや設備をリアルタイム制御する

現実世界の場所や物事、プロセスなどをデータ化してサイバー空間に再現する。デジタルツインが脚光を浴びている。近年、さまざまな都市課題の解決に向けたデータ利活用型Smart Cityへの注目が高まっていて、中でも、リアルな街や建物から得られたデータを活用して――

デジタル空間上に街や建物を仮想的に再現する「デジタルツイン」技術の活用が広がっている。街づくり、建築など幅広い分野での同技術活用のために、さまざまな分野から多くの企業・団体が参画する一方で、デジタルツイン・アプリ構築における標準化された手法やプロセスは確立されておらず、参画企業・団体が活用できる共創環境およびアプリケーション構築技術の標準化が急務だったという。

東京大学グリーンICTプロジェクト(GUTP)NTT Comは、今年3月~11月に実施していた「デジタルツイン」技術によりビルなどの建物空間を制御する実証実験の結果、建物空間のデジタルツイン構築技術の標準化に向けた知見を蓄積し、リアル空間のロボットやビル設備システムなどをデジタル空間からリアルタイム制御する基礎的なアプリケーションを開発した。

東京都港区の「CROSS LAB for Smart City」(DX関連サイト)において、BIM(建物情報モデリング)データを活用してデジタル空間を構築、リアル空間のロボットをデジタル空間からリアルタイム制御・遠隔操作、位置情報の連携、各種技術の検証を行った。実験には、日建設計大塚商会神田通信機セコム竹中工務店TISも参加した。

GUTP及び加盟団体は、今回の成果をもとに建物から収集するデータ活用手法の標準化に向けた取り組みを進めていく。オープンな環境で誰もがセキュアに建物空間のデータを活用したアプリを構築できるようにすることで、建物や都市のデジタルツインを活用したスマートシティの実現に貢献するという。