医療×気象、ビッグデータ解析によって偏頭痛を予測する

神経疾患のひとつである。中等度から重度の頭部痛の反復性発作を伴う。通常は拍動性で、しばしば片側性であり、悪心、嘔吐、光、音、匂いへの過敏症を伴う。片頭痛は、個人的な苦痛、障害、生活の質の低下、社会的・経済的コストと関連している。

慢性的な片頭痛による経済損失は年間2兆円との試算論文もあり、個人の業務遂行能力を妨げるような深刻な影響を及ぼす。世界保健機関の報告(WHO Newsroom)によると、片頭痛は男女ともに障害生存年数の原因疾患トップ2に数えられ、未だ十分な理解と治療が確立されていない(関連文献)。日本では約840万人の成人がそれに悩まされていると推計(出典論文)、体調等のほか気象変化の影響があることも知られているという。

アムジェンJMDCは、LINE公式アカウント「片頭痛@LINEヘルスケア」日本頭痛学会監修、LINEヘルスケア運営、アムジェン/LINEヘルスケア提供)の新コンテンツとして、「片頭痛リスク予報サービス(Health Weather®)」を開発し、今月7日に提供開始した。

Health Weather®は、JMDCが保有する「医療ビッグデータ」(累積約1,300万人分のレセプトデータ)と、日本気象協会が保有する「気象データ」(分単位の国内外気象データ)を掛け合わせ、疾患と気象条件の相関を統計的に解析することで、片頭痛の発症・重症化リスクを予測するAIモデルを活用したサービスだ。

気象変化による頭痛リスクが事前に把握でき、頭痛の発症をより良くコントロール可能になると期待される。同サービスは、ユーザーの位置情報から週間の片頭痛リスク予報を提供していく。「片頭痛@LINEヘルスケア」で収集した「頭痛ダイアリー」のデータに基づき、アムジェン、JMDC、日本気象協会、LINEヘルスケアは、「片頭痛リスク予報」モデルの更なる精緻化に共同で取り組んでいくという。