顔認証決済とARで新しいスタンプラリー、道頓堀から

コロナ禍で地域経済が落ち込んだ。現在、長い歴史を有するまちでも、売上げ減少などの課題に対する地域振興策が求められている。そのひとつ、大阪ミナミは1612年に成安道頓らが南堀河を開削し始めたことに端を発し、大坂冬の陣・夏の陣を経て、1669年に中座が落成――

1826年にはシーボルト一行が角座で芝居見物したり、明治・大正・昭和の栄枯盛衰を経験したり、1985年には阪神タイガース優勝に沸いた橋の上から道頓堀に飛び込む人が続出したり、「大阪万博2025」が決定した年には、道頓堀で祝賀イベントが開催されもした(出所:道頓堀商店会オフィシャルサイト)。そして直近約2年の非常な苦難を強いられた道頓堀商店街において、今月7日~26日――

パナソニックPSSJは、アフターコロナにおける安心・安全な観光の実現と観光地の回遊を促す新しい取り組みとして、道頓堀ナイトカルチャー創造協議会の協力の下、顔認証技術とAR技術を活用した実証実験を行う。期間中、「スマイルスタンプラリー」を開催する。「飲食」「物販」「エンタメ・伝統芸能」「アクティビティ・体験」ジャンルから参加する計17店舗(顔認証決済12店舗)にスマホアプリを提供する。

当該アプリによって、非接触で安心安全な決済・スタンプラリーの体験と、バーチャル商店街、ARフォトウォーク、みんなの投稿などのサービスによる道頓堀商店街への興味喚起や回遊促進を図る。来訪者の属性とアプリ利用履歴、顔認証決済やスタンプラリーの履歴を分析し、「旅マエ」での興味・関心、「旅ナカ」の行動、「旅アト」の情報発信などの傾向を把握して、マーケティング施策の立案など、商店街活性化に対する有用性を検証する。

今回のしくみを全国の商店街や観光地へ展開していく。関西エリアでは万博やIRプロジェクトに向けて、先進技術の活用により安心安全に観光を楽しめるサービスの提供を進めていく構えだ。