救命救急センターで5Gを活用、医療体制の維持や業務効率の改善等へ

高齢化の進展などにより救急医療需要が急速に高まっている。日本では、それに加えて集団災害や新興感染症拡大などにも対応できることが求められていて、救急医療体制のさらなる強化は持続可能な地域医療構築を進めるうえで喫緊の課題になっている。

近年、多数の救急搬送を受け入れている医療機関において、医師の労働時間が長時間となる傾向が指摘されている。適切な医療資源の配分が必要になっているという。トランスコスモス聖マリアンナ医科大学NTTドコモ川崎市の4者コンソーシアムは、地域・救急医療の抱える課題解決に向けて、今月6日から聖マリアンナ医大病院救命救急センターにて、5Gを活用した救急医療の実証実験を行う。

今回の取り組みは総務省が公募した「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に採択され、実施するものだという。救急医療の業務効率化と長時間労働の改善をめざし、ドコモの5Gサービスを活用することで、多数対多数の高精細映像伝送による医師・病院間のリアルタイムコミュニケーションや、医療機器からの大容量動画データの転送、およびAIを活用した処置状況の判定を可能にする。以下のシステムの構築および実証を行う。

①360度カメラなどによる俯瞰的な映像共有とスマートグラスを利用した医師の手元映像共有、②院内をストレッチャーで移動する患者の映像共有、③遠隔CT画像の共有、④大容量X線動画データの転送、⑤気管内チューブなど位置のAI判定。

4者コンソーシアムは上記実証の結果を踏まえて、システム運用上のさらなる課題や解決方法を検討したうえで、同病院への本格システム導入を行い、スムーズかつ効率的に多数の患者を受け入れられる体制の維持や、医療従事者の業務効率化と長時間労働の改善の実現を模索していく。それらの取り組みにより確認された成果などについて、国にも報告を行い、地域医療への反映・普及に努めていく構えだ。