新たな旅のカタチ、歩行支援ロボを着けて四国八十八ヶ所を巡る

巡礼者が菅笠などにこの言葉を書きつけている。同行二人(どうぎょうににん)は、四国八十八ヶ所を巡るお遍路の印であり、いつも弘法大師とともにあるという意味だ。お接待に感銘する外国人たちも多い、日本はいま超高齢化社会となっていて、健康寿命の延伸が大命題である。

医療・介護現場でリハビリに利用され、今年8月から保険診療ともなった歩行支援ロボットを一層広めて、多くの人の健康寿命を延ばすことに貢献したい想いと、シニアをはじめすべてのお客さんが元気になることで新たな旅行や移動の需要を開拓し、地域を活性化したいとの想いが一致し、今般、産学連携で未来を拓くことになったという。

ANA東工大は、ロボットの歩行支援によって旅行者が元気になる"新たな旅スタイル"の創出をめざして連携する。東工大の三宅研究室が研究・開発を進め同大学発ベンチャー企業が製品化した歩行支援ロボット「WALK-MATE」を装着して歩行する実証実験を、今月13日、ANAのプロデュースにより「旅」を舞台に初めて実施する。

移動や旅行を躊躇していた人が自分の足でしっかりと歩ける、楽しさを再発見することで元気と自信を取り戻す、歩行の改善が図られ、健康寿命が延びることにもつながればと考えている。今回その第1弾として、四国八十八ヶ所72番札所の曼荼羅寺~73番札所の出釈迦寺の上り坂(約500m)を、一般参加者8名に同ロボットを装着して歩いてもらう。そしてその効果と課題を検証する。

総本山善通寺法主より「同行二人」ロボットと認定された、「WALK-MATE」は新たなお遍路の形を実現する。シニアを中心に人気のある四国八十八ヶ所参りが最新技術によって注目され、より多くの人が四国を訪れるきっかけとなれば――旅行者増と地元の地域創生にもつながるはずだという。ANAと東工大は、全国の地域が活性化し、人と社会を元気にすることに寄与していく考えだ。