低軌道衛星にてIoT通信ネットワークを築く

低電力であらゆるモノがネットにつながる世界向けの通信規格NB-IoT(Narrow Band IoT)は、非常に狭い周波数帯域を使用することで、少量のデータ通信を低頻度で送信できる。スマートメーターやセンサーなどエッジ側の機器、より低消費電力を求めるIoTサービスへの活用が期待されている。

衛星通信を利用したNB-IoTおよびLTEネットワークを構築することで、様々な業界において、従来は通信圏外であった山岳地帯や離島、海洋などにおいても、低コストのIoTサービスが利用できるようになるという。楽天モバイル東京大学大学院工学系研究科中尾研究室)は、NICTが公募した「Beyond 5G研究開発促進事業」の一般課題⑬「低軌道衛星を利用したIoT超カバレージの研究」に関する共同研究開発を11月に開始した。

両者は、衛星通信によりエリアカバレージを国土面積100%まで拡張し、既存のNB-IoTおよびIoT端末を用いて長距離の通信を実現するIoT超カバレージを目指す。25年3月末までの予定で、楽天モバイルの衛星通信技術(20年3月ニュースリリース)と東京大学のNB-IoTに関する研究実績を活かして、低軌道衛星通信を利用したIoTネットワークを構築し、NB-IoTおよびLTE対応端末を用いてIoTサービスのユースケースを確立していく。

「LTE衛星通信ネットワークの構築(楽天モバイル)」、「LTE衛星通信の安定化・最適化、NB-IoTソフトウェアの開発・衛星適用(楽天モバイル、東京大学)」、「IoT超カバレージのユースケース検討、IoT超カバレージの実証実験(楽天モバイル、東京大学)」を実施する。

今回の研究開発を通じて、楽天モバイルは、IoT世界で希求されている衛星通信網の高度化を行い、顧客により良いネットワークサービスを提供する。と同時に日本の通信技術の発展に引き続き寄与していくという。