地域医療イノベーション、自動運転車両のなかで受診手続き・問診等を

IT(情報技術)を様々な仕組みに浸透させ、人々の暮らしなどをより良い方向に転換していく。デジタルトランスフォーメーション(DX)が脚光を浴びる昨今、カーボンニュートラルの実現も踏まえ、官民一体となってサイバー空間×物理空間=Society5.0の実現が目指されている。

超スマート社会の総合的ショウケース「スマートシティ」は国家戦略プロジェクトとなっている。今月24日、鎌倉市及び周辺地域におけるスマートシティの実現に向け、自治体とも連携しながら各種検討を進めているという、三菱商事は、湘南鎌倉総合病院湘南アイパーク三菱電機マクニカと共同で、湘南アイパーク敷地内において自動運転技術と医療を組み合わせたサービスに係る実証実験を実施すると発表した。

同市深沢地区と藤沢市村岡地区では現在、官民5者による「ヘルスイノベーション最先端拠点構想」の検討が進んでいて、湘南アイパーク施設を運用する三菱商事UBSリアルティへの支援の一環で、同構想の具現化に協力している。地域医療の利便性向上は重要検討事項の1つであり、今般その第一段として、三菱商事は5者と連携のうえ、両市民を軸に約千人のモニターを募り――

上記敷地内で各種医療サービスを付加した自動運転車ARMAの走行実験を行う。医療機関への移動中、当該車両内で受診手続き・バイタル計測・デジタル問診等を行えるプログラムを想定している。いずれ同サービス導入により、地域住民の自宅からの容易なアクセス、医療機関による円滑診察、待ち時間の削減等を実現していくという。

今回の実証は神奈川県の支援(公募型「ロボット実証実験支援事業」)及び両市後援のもと実施。鎌倉市の「スーパーシティ構想」にも寄与する同社は、グローバルなビジネスネットワークを最大限活用し、地場企業との連携を通じたエリア価値向上、生活利便性・安全性を高める各種都市サービスの導入検討も行っていく考えだ。