AI×情報共有の仕組みでマネーロンダリング等金融犯罪対策を確実に

マネーロンダリング(資金洗浄)や振り込め詐欺等がなくならない。今日、金融犯罪に対しては、リスクの特定・評価および低減措置いわゆるリスクベースアプローチによる対応が必要となる。同アプローチを基底として、アンチマネーロンダリング(AML)策として求められる事項を明確化――

「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(AML/CFT指針PDF)を公表した金融庁は、2024年3月をその対応期限としている。一方、実効的なAML/CFT態勢を求められている金融機関などでは、それら対策のための課題も多く抱えている。そこで今年10月、SCSKは、04年より展開してきた「BankSavior®」を大幅にバージョンアップ――次世代版の提供を開始した。

継続的な顧客管理から取引モニタリングおよび当局報告に至る一連の業務を包括的に支援するため、顧客リスク評価・フィルタリング・取引モニタリングの3製品を統合してシステム連携を強化。金融犯罪取引の検知精度向上と事務負荷軽減を目的として、アプリケーションの機能向上に加え、AI機能の搭載やクラウド提供(共同利用型)なども実現した。

"統合AMLシステム"ではクラウド基盤を活用したサービスにより、機能単位での提供ができる。利用各行から収集した統計など共有可能な情報により、ベンチマーク等が可能となる"システム共同化"では、各行のノウハウ共有に寄与すべく、管理情報の拡大を継続検討する。過去実績を教師データとした予測モデルで取引毎のスコアを算定し、アラート制御等をする"AI"は、日々自己学習を繰り返す。

AML/CFTガイドラインやFATF(金融活動作業部会)指摘事項への対応に加え、要望の多かった「事務負荷の軽減」と「検知精度の向上」をコンセプトに構築した――次世代BankSaviorは、広島銀行など計10行に採用され、現在導入が進められている。