GPUコンピューティングにてE2E、プライベート5Gを商用化

あらゆる分野で画像処理系AIの活用が進展している。5Gサービスエリアが全国に広がりつつある今日、5G基地局の柔軟性等の向上と、エッジAIコンピューティングは一層重要度が高まっていくと考えられる。

10日、ソフトバンクは、5G vRAN×MECの融合環境で、多様なソリューションの実証や事業領域への技術応用を行える研究施設「AI-on-5G Lab.」を、来年同社内に開設することでNVIDIAと合意した。当該施設での各種実証を通して、End-to-Endのプライベート5G向けソリューションの開発や、完全仮想化されたプライベート5Gの商用化を推進する。

プライベート5G上にNVIDIAのハードウエアと基地局仮想化およびAI処理ミドルウエア、Mavenir提供の仮想化された無線信号処理ソフトウエアおよびコアネットワークソフトウエア、Foxconn提供の物理的アンテナを構成――プライベート5G通信に必要なソフトウエアとAIのMECアプリが融合された完全仮想化プラットフォームとなる。GPUによるvRANとMECが統合された同ラボ内では、プライベート5Gユースケースの商用化検証等も行う予定だという。

両社は19年「GeForce NOW日本版サービス」、20年「vRANのアクセラレータ性能評価」、21年「AIエンジン"Maxine"による超解像実証」といった協業を行ってきた。結果、vRAN普及のメリットは、通信機器のコストダウンだけでなく、通信以外の多様なアプリを構成する役割を同時に提供できることだとわかった。たとえば工場などでは、夜間MECに集積された情報をAI学習に活かすことで、生産性向上を図れるといった利点があるという。

ソフトバンクは「6Gに向けた12の挑戦」のひとつでも同ラボを活用。アプリ需要に合った通信網の構成や、AIによるネットワークの最適化と運用の自動化を実現していく構えだ。