そのオンライン予約の性質を評点、悪質予約者による被害を防ぐ

スマホが普及し、社会全般のデジタル化が加速している。昨今、店や宿の予約はオンラインで瞬時かつ手軽にできるようになった反面、悪意ないし無責任者による予約の代表格である"No Show"の増加が社会問題となっている。それは真の顧客を逃したり、食材等をムダにしたりといった実害を生んでいる。

旅行業界ではオンライン販売比率が右肩上がりだが、不正予約被害も拡大している。No Showだけでも19年度に年間94億円の被害があったと推定されるという。TISは、オンライン予約に関する性質をスコアリングし、悪質な予約による被害削減を支援するサービス「Reservation Eye」を来年1月より、国内のオンライン旅行予約事業者に提供する。同サービスは、オンライン予約情報に対するNo Showリスクのスコアを提供する。

過去の予約内容から不正が疑われる約200個の要素(宿泊金額・人数・期間、予約日から宿泊日までの日数、予約した時間帯等)を抽出し、No Showリスクを評点するロジックが組み込まれている――。予約サービスサイトで予約が確定されると、上記新サービスに当該情報が連携され、算出された危険度数が宿泊施設に開示される。

昨年9月~12月に行ったPoC(概念実証)では、「Reservation Eye」の提供スコアをもとにNo Show発生リスクの高い3%の予約に架電対策を実施した。結果、そのうち39.6%が後にキャンセルを行った。これにより被害金額軽減が期待できることが分かったという。旅行業界以外にも、美容、飲食、テイクアウトなどオンラインで予約システムを展開している業種業態で有効なしくみだと考えている。

同社は今後、幅広い業界に上記新サービスを展開し、不正予約被害といった社会課題の軽減・解決に向け、サービスの拡充を図っていく。不正予約に悩む全事業者の負担及び被害を軽減し、社会貢献していく構えだ。