健診データのAI分析により将来の健康リスクを可視化する

少子高齢化という社会課題に直面している、日本は、WHOによる世界保健統計2021年版にて男女平均の健康寿命最長国となったものの、生活習慣病対策が大きなテーマとなっている。人生100年時代に、元気でできる限り長く働きたい考える人たちは増加傾向にあると言えるだろう。

従業員の健康意識の向上・自発的な健康行動の実践を促す取り組み「ライオン流健康サポート『"GENKI"アクション』」を展開している。ライオンは今年3月、独自開発した健康リスク予測で健康診断データから「将来の健康リスク予測とその見える化」を行い、個人(予測結果や将来の健康リスクに興味・関心を有する従業員66名)別に健康リスク予測を提示し行動変容を促す提案を実施した。

【個人別健康情報システムの構築~AIによる健康リスク予測~】と、今年9月までの参加従業員2,048名「歯bit! 歯間清掃用具3週間チャレンジ」キャンペーンによる【予防歯科習慣の浸透~AIを用いたデータ分析~】を実施した。結果、約8割が行動を変える意思があることが分かった。口腔セルフケア習慣のデータ分析から歯間清掃用具の利用頻度と口腔健康に高い相関性を見出し、定着率10%アップが確認された。

「AIによる健康リスク予測の活用により、行動変容をもたらす意識の変化が確認できた」、「AIを用いたデータ分析に基づく社内キャンペーンにより、歯間清掃用具使用の定着化(週に1、2回乃至ほぼ毎日使用)が認められた」という。同社は今後も上記取り組みの検証を重ね、継続したデータ分析を起点としたより良い健康習慣の定着化、および健康習慣のデジタルトランスフォーメーションを進めていく。

従業員に対して「将来の健康リスクの見える化」を図るとともに、セルフケアやプロケア習慣の定着化を進めていく。さらにより良い習慣づくりに貢献する新価値を創造していくために、「習慣の科学」を実践していく構えだ。