医薬品配送ガイドライン準拠・国際標準型のドローン運航を稚内空港で

ドローンによる医薬品配送において、オンライン診療・服薬指導は有効だが、へき地等では配送に数日かかる等の課題があるという。

BIRD INITIATIVEANAHDアインHDNEC北海道経産局は、稚内市にて、①「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」(PDF)に準拠した無人航空機の運航と、②航空定期便が就航する空港内への物流用ドローン離着陸を、③国際標準化が進められている分散型のドローン運航管理システム(UTM。複数運航者が同じ空域で安全かつ効率的にドローンを運航するしくみ)を用いて実施した。いずれも日本初の実証実験だった。

①では、市立稚内病院のオンライン診療後にオンライン服薬指導を受けた患者のもとへ、鍵付き容器に入れた当該医薬品をドローンで届けた。②では、稚内空港での物流用ドローン発着と同空港敷地内外への飛行を行った。ドローン物流と航空物流の連接により、地方から都市部への迅速かつ一貫した輸送が可能となる。空港を軸としたハブアンドスポーク型の新たな物流網の構築と、地方における産業振興が見込まれる。

③ではNEDOのDRESSプロジェクトにおける空域共有・衝突回避のしくみ――運航管理統合機能(FIMS)と運航管理サブシステム(UASSP)をつなぎ、全飛行計画と動態情報をFIMSに集約する――集中型の運航管理に加えて、欧米で標準化が進んでいる分散型の運航管理を検証。複数UASSPの運用と相互接続を実施した。各UASSPが自律的に飛行計画を可否判断、所要飛行計画の重複検知や解消を分散的に調整している。

「密漁監視の夜間目視外での技術検証と運用体制検証」、「分散型運航管理のデジタルツイン構築と自律的経路調整技術の検証」、「ドローンとドクターヘリとの飛行計画調整」なども実施した。関係各社・団体は、今後も協力し、有人地帯での目視外飛行(レベル4)実現への貢献を目指すという。