6割が閉塞感、しかし従業員はAI利用によるキャリアアップに前向き

20年3月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック宣言があった。以来約1.8ヶ月、人々の行動が制限され、非対面非接触やテレワークなどが新たな常態となっている。

今月4日、日本オラクルは、コロナ禍でのキャリアに対する意識変化やAI活用に関する調査「AI@Work」の日本における結果を公表した。13ヶ国14,600人超の経営層と従業員各層、そのうち約1,000人が対象となった日本の調査結果では、多くの人が孤独感などを抱いているものの、コロナ禍中に将来を見つめ直す機会を得たことで、自身のキャリア開発に前向きであることが明らかになったという。

COVID-19パンデミックにより従業員は孤独感や疎外感、また、公私のコントロールが難しい状況だと感じている。世界では20年に67%がマイナスの影響を受けたと回答し、経済的に困窮、メンタルヘルスの悪化、実生活からの疎外感、仕事に対する意欲の減退を経験した。21年は50%が職業人生で最もストレスの多い年だとし、45%が昨年よりも就業中にメンタルヘルスの問題で苦しむ機会が多いと回答している。

昨年の苦しい状況を経験してもなお、世界中の人々は自身のキャリアに変化を起こすことに前向きだ。86%がこの1年で自分の人生について振り返ることがあったと回答し、78%はパンデミック以降、自分にとっての成功の意味が変わったとした。現在の最優先事項として、ワークライフバランス、メンタルヘルス、自由度の高い働き方を挙げている。

職場環境が変化する中、優秀な人材を確保・育成していくために、企業は従業員の要望に一層応えていくことが求められている。職場でAIを活用している日本企業の比率は約3割で13ヶ国中最下位――。世界では42%の従業員が、AIなどの高度なテクノロジーを利用してキャリアアップを支援してくれる会社には留まる可能性が高いと回答している、という。