製造現場DX、エッジAIゲートウェイにてメーター読み取りを実現

情報技術を駆使して様々な物事をより良くしていく。デジタルトランスフォーメーション(DX)はコロナ禍で一層盛んになりつつある。かねて人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)技術による第四次産業革命がうたわれていた製造業では、工場DXの検討が急速に進んでいる。

一方で、DXの推進が捗らないといった声をよく耳にする。DXを業務効率化につなげるためには、新たに取り込むデータのAI分析、既存システムのデータを統合管理・分析する仕組みや、大規模なデータ分析プラットフォームの構築が必要になる。製造現場では、旧式のアナログメーターが使用されていることも少なくなく、離れた場所、危険な場所にあるそれらを担当者が毎日巡回して確認する、作業には大きな負担がかかるという。

セイコーソリューションズは、現場で稼働するAIによる映像解析を活用し、企業のDXを支援する「エッジAIソリューション」を開発。その第一弾として今年度中に、工場DXに向けたエッジAIゲートウェイ――現場の各メーターとつなぐことで、深層学習を用いたAI画像解析によりメーター指針値をデータ化して蓄積し、素早く・正確・安全なデータ活用を可能にするしくみ――によるアナログメーター読み取りソリューションの提供を開始する。

読み取ったデータを同ゲートウェイで処理することにより、所要情報のみを収集し、既存センサーデータと組み合わせてエッジAIプラットフォームに送れば効率的なデータ分析も行える。学習済みAIモデルによる新ソリューションを事前検証した顧客は、「読み取りを諦めていたメーターも読み取れるようになった。設定も簡単である」といって、22年度中の本格導入を目指しているという。

同社は今後、映像データからの人数カウント、危険エリアへの立ち入り回数や工場内各種センサーデータの集約、リアルタイムなビッグデータ分析による業務効率化を提案していく考えだ。