中山間地域を抱える6町が連携し、医療MaaSの実現をめざす

人口減少と高齢化が共通の課題となっている。自然豊かな紀伊半島の北東側に位置する、6町には、それぞれ公共交通機関の乏しい中山間地域があり、医療へのアクセスが困難なことによる慢性疾患の重症化や、医療費増大などの問題もひとしく生じている。

そのような環境の中で、地域住民の健康を守る医療機関が減少しつつあり、住民の健康管理を継続していくうえで、医療へのアクセスに不安を抱える住民をいかにサポートするかが喫緊の課題となっている。地域における公共交通の多くは、自治体の負担により運営されていて、財政を圧迫する要因にもなっている。三重県大台町多気町明和町度会町大紀町紀北町で、新たなMaaS創出推進プロジェクトを始めるという。

MRTは、政府が合同審査する令和3年度スマートシティ関連事業(概要:内閣府PDF)のうち、経産省「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(地域新MaaS創出推進事業)」の実証事業に関わる受託事業者に選定(同省PDF項番38)され、MONETDNPオリエンタルコンサルタンツ、三重広域連携スーパーシティ推進協議会とともに、今月4日~来月27日、「オンデマンド医療MaaS」の実証実験を行う。

6町が連携して、MONETが提供する多目的型(マルチタスク)車両を活用した「オンライン診療・オンライン受診勧奨、保健指導」に取り組む。地域住民の医療アクセスの改善や、オンライン診療などの新たな受診機会の創造により、健康意識の高まりや行動変容を促して医療費抑制につなげることを目的に、6町はマルチタスク車両を共同運用する。共同運用による財政負担の軽減についても検証する。

オンデマンド医療MaaSでは、看護師や保健師がマルチタスク車両で患者の自宅を訪問し、車両内で保健指導や受診勧奨を行うほか、ビデオ通話を用いた医師によるオンライン診療や、オンライン健康相談などを実証するという。