物流DX、分割配送アルゴリズムにより人と車の仕事量を最適化

物流の配送計画を立案する際、積載量、車両数、配送距離など、多くの要件を考慮する必要がある。現在、たとえば店舗ごとの納品時刻を遵守した上でドライバーの業務量を均等化するなどの調整は、専門知識や経験のある熟練社員の技量に頼るところが大きい、という実状がある。

日本国内のみならず、グローバルにおいて、物流のひっ迫が社会課題となっている。昨今、配送要件が確定してから出荷開始時間までの短時間での立案を確実に実施するためにも、一握りの社員に依存しない、計算スピードを意識した配送計画の自動化が望まれているという。

OKIは今月1日、ロンコ・ジャパンとともに、AI技術を活用して物流分野におけるルート配送の配送計画を最適化する「コスト最小型ルート配送最適化アルゴリズム」の試行運用を開始した。複数車両で荷物を配送する"分割配送"に対応したOKI独自のアルゴリズムにより、配送先とその順番、各車両に積載する荷物量を最適化するだけでなく、配送時間の指定および全車両の稼働時間の均等化も実現する。

さらに、従来の最適化サービスでは対応が難しかった経路ごとの有料道路利用判断を含めた、コストの最小化にも対応する。今回の試行運用で、OKIは、今年2月の実証実験(3月ニュースリリース)で有効性を確認した分割配送による配送計画のアルゴリズムに、店舗ごとに異なる配送時間を指定できる機能のほか、有料道路の利用有無までを計算する機能を新たに搭載――

それにより、配送時間の遅延や各車両への仕事の配分の偏りをなくしつつ、コストを最小限に抑えた配送計画の自動化を達成する。ルート配送を最適化することで、カーボンフリーにも貢献していく。OKIとロンコ・ジャパンは、この度の試行運用の結果を踏まえて、2022年度に「コスト最小型ルート配送最適化アルゴリズム」を配送計画システムに組み込み、本格運用を始めることを予定しているという。