次世代LPWAにて工場の環境データを自動収集する

ESG(環境・社会・企業統治)経営が世界的に注目され、国連SDGsへの取り組みも求められている。製造現場における環境保全業務は企業が果たすべき社会的責任である一方、環境データの収集は人手による部分が多く、人材確保の困難さと相まって工場のIoT化は喫緊の課題となっている。

自社の工場でも、環境データを測定するセンサーは電波の届きにくい屋内や地下、電源確保のできない屋外などに設置されているケースが多く、従来のネットワーク技術ではIoT化が困難だったという。凸版印刷は、同社工場において排水の水位や水素イオン濃度など、環境データを自動収集するシステムを構築した。これは同社が普及を推進する次世代LPWA(低電力広域通信網)規格ZETAの活用により実現したものだ。

工場内をくまなくカバーするZETAネットワークと、それに接続する各種センサー機器、測定データを格納する「ZETADRIVE®」と、データ監視システムとで構成される。今回、既に工場内で稼働している多数の測定器からの出力情報を、デジタルデータ化しZETA通信のフォーマットで送信するために、データ転送機器「ZETABOX™」も新開発したという。

工場環境系ソリューションシステムは、環境保全業務の負荷を約20%軽減すると見込まれている。これにより、同社は、能動的な環境保全活動への人的リソースの割り当てが可能となり、工場全体のリスクマネジメント強化を図る。その第一弾となった現場では、1,000超の点検項目の1割でセンサーをZETAネットワークに接続し、工場排水の水位やpH値、ORP等を自動収集していて、2022年度中に全ての環境データの収集を自動化するという。

現在、国内10工場にて導入・検討が進められている。今後は各製造拠点への展開を推進し、外販も計画されている。同システムは「5G/IoT通信展」ZETAアライアンスブース内で披露される。