国際物流拠点の港湾クレーンをドローンにて遠隔自動点検する

政府主導で「空の産業革命」をめざす。日本においてこれまで、港湾クレーンの構造物点検の一部を自動飛行ドローンによるリアルタイム映像確認等へと置き換える、点検作業の効率化や省人化に取り組んできたという。

三井E&Sマシナリーゼンリンデータコムは8月2日~5日、DJI JAPANの技術および最新型産業用ドローン「Matrice 300 RTK」の提供を受けて、先端技術への挑戦を推進している大分県の協力のもと、大分港大在コンテナターミナル内の港湾クレーンを対象として、4G(LTE)回線を利用したドローンによる遠隔自動点検の有効性を検証(点検箇所の詳細確認時に国内で初めて手動操縦を併用)する実証実験を実施した。

『空の産業革命に向けたロードマップ2021』(官邸PDF)が公開されているなかで、今回、三井E&Sマシナリーは飛行申請、飛行ルートの設定、機体のオペレーション、ゼンリンデータコムは遠隔飛行ルート設定プログラムの作成、LTE回線利用のための調査および関係各社との調整、各種申請関連の支援、大分県は実験場所の提供を行った。ドローンの位置制御にはソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」を利用した。

ドローンにて自動撮影した画像は、現在開発中の港湾クレーン点検管理システム内で点検結果とともにクラウドに蓄積することで、効率的な運用管理が可能になる。当該システムは、三井E&Sマシナリーの港湾クレーンの次世代遠隔モニタリングシステム「CARMS」と連携もできるという。両社は、今年度中に同コンテナターミナルで追加検証を実施し、港湾クレーンの遠隔点検の実用化に向けて取り組み、ドローンの社会利用の可能性を検討していく。

大分コンビナート企業協議会(パンフレット)や大分県ドローン協議会などとも連携し先端技術の社会実装を促進している、同県は、引き続き上記取り組みの推進を支援していく予定だという。