まちづくりDX、スマホアプリと顔認証でサステイナブルな観光地域へ

長期にわたる新型コロナウイルス禍は人々の暮らしや経済活動に大きな変化をもたらした。移動の抑制による訪問客の減少など、各地で多大な影響を与えている。そのような中でも、観光客を呼び戻し、持続可能かつ安全・安心な観光地域づくりを目指しているという。

熊本県NECは、昨年8月に締結した包括連携協定の一環として、観光客が事前に購入した旅行商品のチケットを電子化(ギフティ提供「e街プラットフォーム」を活用)し、顔認証により利用できる実証実験を今月15日~12月15日に実施する。

旅行商品は、「I'm fine! ASO」キャンペーンとも連動していて、同県公式観光予約サイト「くまもっと旅行社。」にて通常価格の半額で一定数販売される。実証プロジェクトにおける全13種類、様々な体験プログラムや飲食などを組み合わせた商品などの情報は、「阿蘇手ぶら観光」サイトで確認できる。個人の属性や行動履歴等パーソナルデータに基づく観光地の周遊に役立つレコメンドが、NECのDXサービス「FORESTIS」にて提供される。

実証実験では、「阿蘇手ぶら観光実証アプリ」(iPhone版Android版)に顔写真などの利用者情報を登録――これにより観光施設や店舗にてスムーズかつ非接触の顔認証が行われ、ユーザーは事前購入済み商品のサービスを利用できる。参加者の各種情報は、匿名化した上で各人のニーズ把握やマーケティング分析、観光商品の開発等、社会実装に向けた強化・改善の検討に活用される。

データは参加者の同意のもとで収集し、今回の実証実験のみに使い、他の目的に使用することはないという。熊本県は顔認証システムを導入し、観光客の利便性や満足度の向上、観光施設側の効率化・省力化をめざす。一方、NECは、「NEC I:Delight」ブランドのもとで多様なしくみの開発を行い、今後も安全・安心で豊かな社会の実現に貢献していく構えだ。