次世代車両の安全性向上、全方位の死角をなくして運転負荷も軽減する

クルマの進化が著しい。交通事故の削減や交通渋滞の緩和を目的として、昨今日本においても「自動運転」に対する法整備が進捗し、2019年には道路交通法の一部改正と道路運送車両の改正とが相まって、レベル3車両の安全走行規定が整った。

警察庁が「自動運転」ページを設け、官邸が「官民 ITS 構想・ロードマップ」を公開している。今月13日、Hondaは、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」を発表した。この新システムの適用を22年に中国で発売する四輪車から開始し、30年までに先進国で発売する全モデルへ展開することを目指す。  

同社は「Safety for Everyone」のスローガンのもと、ハード・ソフトの両面で安全技術の研究開発に取り組んできた。現在量産車で展開をしているHonda SENSINGは14年の誕生以来、その機能を進化させながらグローバルでの適用を拡大し、多様なドライビングシーンを支援してきた。

新システムは「衝突軽減ブレーキの進化」「前方交差車両警報」「車線変更時衝突抑制機能」「車線変更支援機能」「カーブ車速調整機能」といった特長を備え、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを新たに追加装備することで、360度センシングを実現している。目視確認が難しかった車両周辺の死角をカバーし、他車や歩行者との衝突回避や運転に伴うドライバーの負荷の軽減をサポートする。

レベル3技術の研究開発で培った知見やノウハウも生かされているという。Hondaは2050年に全世界で自社製二輪車・四輪車が関与する交通事故の死者をゼロにすることを目標にしている。今後も、二輪車と四輪車を手掛ける同社ならではの強みを安全技術の研究開発に生かし、"事故に遭わない社会"の実現をリードしていく構えだ。