新型コロナウイルス禍により、観光の在り方は大きく変化した。ワクチン接種率の向上で観光需要が回復していくと想定されるが、安全・安心に観光を楽しめる環境作りは今後も変わらず必要になると考えられる。
当県では、今年の山開き以降、富士山富士宮ルート2合目の水ヶ塚駐車場などのシャトルバス乗り換え場や各登山口五合目等において体調チェックを行い、チェック済みの人にリストバンドを配布し装着してもらっていた。そこで、22年度以降にはデジタル技術を活用して、よりスムーズに、混雑を避けたチェックができないかを検討しているという。
静岡県と、NEC、アルム、イーソリューションズは、上記体調チェックの手続きについて、顔認証システムや救命・健康サポートアプリを活用することにより円滑化する、トレッカーのワクチン接種記録書・PCR検査結果報告書などの確認を効率化する実証実験を来月に行う。従来の手続きをデジタル転換（DX）するしくみについて、2022年度以降の富士登山時への導入を目指す。
今回の実証実験では、「富士山周辺トレッキングツアー」（富士宮市観光協会、10月11日から約100名募集）の参加者は事前に救命・健康サポートアプリ「MySOS」をダウンロードして、顔写真や個人情報、健康情報とともに、ワクチン接種記録書または参加前72時間以内のPCR検査結果報告書を登録する。これにより、実証実験専用ゲートにおいて顔認証を実施し、事前登録済の当該記録書・報告書をスムーズに確認できる。
水ヶ塚駐車場にて11月6日・7日に体調チェックを実施する。上記ゲートでは、マスクを着用したままで顔認証が可能となる。手間なく正確に各書類を確認できることと、体調チェックの手続きを顔認証による事前登録情報の確認に代えることの有効性を評価・検証するという。4者はその結果を踏まえ、この度のDXについて県内の観光領域への展開も検討していく構えだ。