自動運転時代の幕が開けた。いま、自動車の安全性や快適性を向上したり、環境負荷を低減させるための高度な制御を行ったりする、車両のE/E(電子・電気)アーキテクチャが進化している。
E/Eアーキテクチャの進化に伴い、クラウドサービスへ安全に接続できることと、車載制御を安全に確実に行うことの両立が大きな課題になっているという。ルネサスは、次世代車載中央コンピュータ向けに、新たなゲートウェイ用SoC「R-Car S4」と、パワーマネジメントIC(PMIC:「RAA271041」「RAA271005」)を開発――これらを組み合わせた車載ゲートウェイソリューションを今月6日に発表した。
新たなソリューションは、E/Eアーキテクチャのドメイン化やゾーン化に伴う高い要件と、高性能かつ複数の多様な高速ネットワークに対応し、高いセキュリティと高い機能安全レベルを備えている。R-Car S4は既存ソフトウェアの再利用性を重んじて設計されている。これとシームレスに動作するPMICとの併用により、ユーザは開発効率を向上できる。各製品は同日にサンプル出荷が開始された。
第4世代のR-CarファミリとなるR-Car S4は、Arm® Cortex® A55、Cortex R52を複数搭載。車載制御サポート用にR-Carとして初めてRH850マイコンのCPUコアが内蔵された。R-Car3・RH850用のソフトウェアを最大88%再利用できる。そのうえ、豊富な数の通信インタフェースが搭載されていて、車内外の多様なコネクティビティを実現する。
各種ソフトウェアパッケージ、パートナ企業の仮想プラットフォーム(VPF)を利用すれば、早期のソフトウェア開発と評価が可能となり、設計期間の短縮とコスト削減が達成できるという。同社は、上記新ソリューションについて、ウィニングコンビネーションのひとつである評価ボードの提供も開始した。