農業AI・IoT×環境センシング、広大な農地等でも様々な可視化を

ロボティクスやICT(情報通信技術)を活用して、農業の超省力化と高品質生産を達成する「スマート農業」が目指されている。日本では昨今、農業のあらゆる分野でデジタル転換を推進し、食と農の未来を切り開く取り組みが検討されている。

『農業DX構想』(農水省PDF)が練られている。今月4日、TEDは、ソフトバンクが提供する農業AIブレーン「e-kakashi」のゲートウェイに、自社開発した独立駆動型のしくみ――機器稼働状態を見える化する環境センシングソリューション(TED Portable IoT Gateway)の納入を開始した。

同ソリューションは、外部電源接続なしに携帯電話通信網との接続が可能な完全独立駆動を採用。ソーラーパネルとバッテリを搭載していて、自ら蓄電しながら動作する。必要な対応センサーを接続した後は、電源ボタンを1回長押しするだけで設定できる。センサーデータの収集に要する機能を厳選し、ゲートウェイ装置の小型化と低消費電力を達成した。所要センサー(デジタル式/アナログ式)を最大4つまで同時接続可能である。

収集したセンサーデータは、Microsoft Azureポータルを経由してe-kakashiのクラウドサーバに送信され、そこで様々な付加価値サービスへの展開が行える。同ポータルはデータの転送と保存、リモートコマンド機能による各ゲートウェイの設定やファームウェア更新を実行する。万一電波障害などでゲートウェイからのデータ収集が滞った場合にも、同ポータルからゲートウェイに必要なデータ送信を促す操作を、クラウド上で実行できる点が最大のメリットである。

ポータブルIoTゲートウェイは、広大な農地や人が作業できない場所などでも、快適な通信接続を可能にするだけでなく、暗号化されセキュアかつ低消費な無線通信によるセンサーデータの収集と、位置情報や機器の稼働状態の見える化を実現するという。