日本提案のドローン運航用規格が国際標準として世界初発行

昨今、世界中でドローン社会の実現に向けた無人航空機システムトラフィック管理(UTM;ドローン運航管理システム)の開発が進んでいる。「空の産業革命」をうたう日本政府も2022年度「無人航空機の有人地帯での目視外飛行(レベル4) の実現」を目標に掲げていて――

この国でもドローンに係る研究開発や環境整備が進んでいる(参考資料:政府ロードマップ官邸・国交省PDF)。ドローン用の地理空間情報データモデルの国際標準化により、当該情報を全世界共通で使えるようになり、システム実装が容易になる。これにより、世界中で進められているUTMの効率的な開発への貢献が期待できる。膨大な種類の地理空間データが体系的に整理・類似共通化され、ユーザーの利便性が向上するという。

ゼンリン日本気象協会三菱総合研究所は9月30日、3者が連携し提案を進めていたドローン用地理空間情報に関する規格が、前日に国際標準化機構より発行されたことを公表した。「ISO 23629-7 UAS traffic management (UTM) -- Part 7: Data model for spatial data」は、UTMに係る国際規格としては世界初の発行だという。

上記標準規格は、NEDO「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の助成事業としてゼンリンと日本気象協会が'18年から共同で取り組み、両者から三菱総合研究所が委託を受けて発行に向けた国際調整を行い、このたび日本発の提案として発行に至った。

今後は同規格に適合するドローン用の地理空間情報に関するデータベースやアプリケーションの公開を予定している。地理空間情報の利活用拡大により、物流・点検・測量など多彩な分野におけるドローンの産業利用推進を支援し、社会課題の解決の一翼を担うとともに、便利で安全な空のインフラ構築に寄与することを目指すという。