その銀行では、数年前から行内の蓄積データを活用するため、多くのAI・データ分析のPoC（概念実証）環境を行内専用クラウド上に構築し運用してきた。分析に必要な各種デジタル資源はしかし、外部環境から入手して適用せねばならず、PoC環境の構築や管理に負荷がかかっていた。
データ分析環境は情報保護のため外からはオフラインであった。ゆえに外部アプリケーションの導入や最新ライブラリへの更新等、PoC要件に合わせた環境構築に伴う技術的ハードルや作業負荷がネックとなっていた。従来のしくみでは施策ごとのインスタンス構築を必要とし、クラウド利用料等の運用コストも大きな負担になっていたという。
三菱UFJ銀行のシステム開発に長年携わってきたインテックは9月30日、同行のAI・データ分析基盤をDockerにてコンテナ（アプリ稼働に要するリソースを仮想パッケージング）化し、そのコンテナ管理にkubernetesを導入――コンテナ管理プラットフォームを構築したことを発表した。
「PoC環境構築の効率化とコスト削減を実現」「PoC環境の安定運用を実現」「多様なPoCを柔軟に実施し、DXを推進」といった導入効果・メリットが得られるとされる。三菱UFJ銀行は、今回のコンテナ環境の導入により、環境構築や運用に係るコスト・期間の短縮も可能となり、全行DX（デジタルトランスフォーメーション）の加速・推進に大きく貢献できるのではないかと期待している。
一方、インテックは今後も豊富な実績と技術力で同行のDX推進をサポート。この度のコンテナ管理プラットフォーム導入のノウハウを生かし、顧客環境・要望に合わせたコンテナ技術の有効性検証～コンテナ稼働環境の構築、コンテナアプリの導入と運用、さらにはコンテナ開発技術者の育成（ITビジネス研修）まで幅広く支援していく。これからも技術力の向上に努め、顧客のDX推進に寄与していく考えだ。