自治体DX、契約事務にブロックチェーンを活用する

コロナ禍が市民生活および産業に影響を及ぼしている。現在、その市では、自治体における契約事務手続きの改善に加え、人との接触機会を減らすため、紙での契約手続きをいち早く電子化することに取り組んでいるという。

東芝デジタルソリューションズは9月27日、契約事務のデジタル化に関する連携協定を長崎市と締結した。今回、同市に導入済みの電子調達システムと連携する"ブロックチェーンを活用した電子契約システム"のパイロット版を開発。「強固なセキュリティによる改ざん防止」「契約書に付随する各種届出、図面、図書などのハンコレス・ペーパーレス」「電子入札用ICカード活用等で既存システムと柔軟連携、調達業務全般の効率化」といった効果を実証する。

契約合意等の取引行為、意思決定、移動追跡などの事象に対し、高度なセキュリティを担保しながら記録保存できるブロックチェーンの特長を活かし、官と民との電子契約の実用性を検証する。システムには、同社製の高い信頼性と高速性を持ったブロックチェーンエンジンを利用。そのブロックチェーン網を複数社(コンソーシアム)が共同管理する。そうすることで、契約合意等の記録保存の維持を高い信頼性をもって実現していく。

この度の協定は、データを安全かつローコストに管理可能なブロックチェーンプラットフォーム(同社構築)を活用して、電子契約システムにおける契約事務手続きの効率化、新型コロナ感染症対策として接触機会低減などを図ることを目的にしている。

社会のデジタル化を妨げていた信用確保に対するコスト(費用、時間、労力、仕組)を大幅に抑制する。マイナンバーカードとの連携や、ICカード不要のeKYC(本人確認)との組み合わせで、各種課題解決や自治体DXを推進できるという。ブロックチェーンを自治体の電子契約システムに取り込むことは国内初(同社調べ)の試みで、上記協定の有効期間は同日より1年間とのことだ。