AI OCRと業務改善基盤を連携、紙を扱うプロセス全体を効率化

コロナ禍で、テレワークをはじめとした働き方改革が加速している。オフィスでの紙ベースの業務を削減するなど、紙文書の電子化を進める企業が増えてきた。昨今、業務プロセスのデジタル化を担う技術として、人工知能を用いた光学文字認識"AI OCR"が注目されている。

一方で、読み取り後のデータを他システムへ手動連携させる、非デジタルな運用方法が多い。ゆえに業務プロセスの見直しをはじめ、AI OCRを含めた他システムとの円滑連携が可能な仕組み作りが急務だという。

キヤノンITSは、クラウド型AI OCRソリューション「CaptureBrain」の新バージョンを10月中旬より提供する。手書き帳票などの電子化において、中小・中堅企業に利用されている。同ソリューションは、自社で培った画像処理・AI技術のほか、Cogent Labsの手書き・活字文字認識AI OCRエンジン「Tegaki」など、複数のOCRエンジンを搭載している。

インターネット経由でアップロードされた手書き帳票類のスキャンデータに対して、帳票種別の認識、画像補正、記載内容のデジタル化までを行い、その結果を編集可能な電子データとして活用できる。その新版である「CaptureBrain V2.1」では、OCR結果を後続システムへ連携させる際の負荷軽減を図るため、多くの企業で利用されているサイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」との連携機能を実装。連携用のマッピングツールを無償提供する。

OCR読み取り結果をノンプログラミングで「kintone」へ自動連携し、作業時間の短縮と業務プロセスの効率化を実現する。顧客からの要望大だったPDF帳票ファイルのOCR処理も可能とした、V2.1は、より幅広いシーンで活用できるという。キヤノンITSは中小・中堅企業から大手企業まで業種・業務に特化したデジタルソリューションを拡充していく考えだ。