車椅子ユーザー向けの空港アクセスナビはじまる

情報技術(IT)を活用して人々の生活および産業・社会のしくみをより良い方向に転換していく、デジタルトランスフォーメーションが日本でも進み始めた。今日、移動手段のサービス化(MaaS)は交通弱者をなくす取り組みとして全国で注目され、その実証実験等が各地で行われている。

ユニバーサルデザイン×MaaSによって、誰もが快適にストレスなく移動を楽しめる社会を築いていこうとしている。ANAWheeLogゼンリンゼンリンデータコムは今月15日、経路検索サービス「ANA空港アクセスナビ」の徒歩区間における「バリアフリー地図/ナビ」機能の運用を開始した。当初の検索対象経路・対象エリアは東京都・神奈川県の徒歩区間で、今後拡大していくという。

「バリアフリー地図/ナビ」機能では、経路検索結果に表示された屋外徒歩区間における最短ルート情報(「いつもNAVI API」の地図/ルート検索機能を利用)や、車いすで実際に走行したルート・利用したスポットなどのバリアフリー情報(「WheeLog!アプリ」上の情報)が表示され、目的地までの最短経路と合わせて、車いすユーザー向け移動参考情報の確認が可能となる。

「WheeLog!アプリ」との併用により、同機能を使用した車いすユーザー向けの走行ルートやスポット情報の追記・編集ができ、車いすユーザーたちが互いの移動を支えあうデータベースの構築が進むという。

上記4法人をはじめとしたUniversal MaaSパートナー各社・団体は、大学などと連携し、何らかの理由で移動にためらいのある人たち(移動躊躇層)に提供する移動サービスの実証実験を行ってきた。今年度は、国交省「令和3年度日本版MaaS推進・支援事業」に"山手線周辺/横須賀市"の取り組みが採択(同省PDF)――、更なる機能の社会実装を、そして「誰もが移動をあきらめない世界」を目指して実証実験を行う予定とのことだ。