変調アナログ信号×高性能イメージセンサでADASを新次元に

先進運転支援システム(ADAS)が高く評価されている。昨今、自動車においては、高精細なHD(高解像度)映像による物体認識機能の重要性が増しているという。

ルネサスと米国オムニビジョン社は14日、車載HDカメラシステムの統合リファレンスデザインの提供を開始した。同デザインは、後者の1.3メガピクセル対応CMOSイメージセンサSoC「OX01F10」と、HD映像を低コストのケーブルを使用して伝送できる前者のオートモーティブHDリンク(AHL:PDF資料)ICを組み合わせたものである。

これにより、厳しい照明条件下でも高品質な映像伝送が可能となり、小型で低消費電力かつ低コストのカメラシステムを実現するという。ルネサスの、AHLエンコーダ「RAA279971」とデコーダ「RAA279972」は、変調アナログ信号を用いて映像を伝送するため、HD信号のデジタル伝送と比べ、所要伝送レートは10分の1で済み、既存アナログビデオケーブルのツイストペアケーブルや、標準的で安価なコネクタを使用できる。

ADAS市場のリーダであるルネサスは、AHLをR-Car SoCRH850マイコン車載用PMIC、アナログICなど他の同社製品と組み合わせることで、実質どのクラスの自動車にも多くの安全機能をコスト効率よく組み入れられるという。一方、オムニビジョンは、「OX01F10」について、低ノイズを実現するPureCel®Plus技術を用いた高性能な3.0ミクロンのイメージセンサと高度なISP(プロセッサ)を統合していて――

車載用リアビューカメラおよびサラウンドビューシステムの課題である低照明環境でも優れた性能を発揮する。小型で超低消費電力、低コストを実現し、単一基板設計が可能なため、信頼性も向上するという。両社によるリファレンスデザインは今週、AutoSens in Brusselsにて披露される予定だ。