ホテル従業員の入館管理をマルチモーダル生体認証にて

そのホテルは、TOKYO2020の主要拠点跡の近隣で営業している。国際的なその大規模スポーツイベントが開催されていた間、関係者区域内への不正入館を防ぐ高度なセキュリティ対策と、従業員の本人確認業務の効率化が必要とされていたという。

NECは今年7月13日~9月10日、ホテルマリナーズコート東京において、ホテル従業員向けに顔認証と虹彩認証を組み合わせたマルチモーダル生体認証による入館管理システムの実証実験を実施した。このようなマルチモーダル生体認証による入館管理は、ホテル業界で初の取り組みであり、実験では通用口を利用する従業員の厳格な本人確認と、入館管理システムとの連携による履歴管理を行い、安全安心かつ効率的な運用を実現した。

今回提供した顔・虹彩のマルチモーダル生体認証(20年5月端末開発ニュース)は、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、高い利便性によりさまざまな用途で導入が加速している世界No.1の顔認証技術と、左右の目で異なる虹彩情報を用いて高度な個人識別が可能な世界No.1の虹彩認証技術を統合し、認証を行うものである。

他人受入率(誤認率)100億分の1以下(各人で左右の虹彩と顔の3つの特徴が独立であると仮定して算出)を達成する高精度かつ高速な認証が可能で、マスク着用のまま非接触で本人確認ができるため、新型コロナウィルス等への感染リスク低減に寄与する。顔・虹彩のマルチモーダル生体認証をシステム化し、入館パスなどの紛失・盗難によるなりすましを防止するとともに、厳格な本人確認と高い利便性の両立を実現した。

仕組みの2022年春製品化に向けて、開発を進めている。この度の実証実験は、「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化するものだという。同社は、安全・安心・公平で効率的な社会の実現に貢献していく構えだ。