これまでの排出量の計測・集計は、建設機械等の稼働状況を調査し、規定の燃費情報等により算出する方法が一般的であり、データの集計などに時間を要し、煩雑な作業となりがちだったという。大成建設は今月9日、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を効率的に計測・集計するシステムの開発に着手したことを発表。2023年4月を目標に、全ての建設現場へこのシステムの導入を進めていく。
「持続可能な環境配慮型社会の実現」と、カーボンニュートラルの実現を目指す。同社は、長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」を掲げていて、18年より全社員が参画する環境負荷低減活動「TAISEI Sustainable Action(TSA)」の展開や、その活動状況を定量評価する「TSAポイントシステム」の運用を行っている。
建設現場で発生するCO2排出量を効率的に把握することが期待される。今回開発するシステムは、①建設現場に設置したカメラとAIの画像認識機能を用いて建設機械の稼働状況から排出量を自動算出する「現場運用情報」、②電気使用量や電子マニュフェストなどの外部の取引会社から提供されるデータである「外部システム情報」、③燃料購入金額など支出・取引データを社内システムで管理する「社内システム情報」を計測・集計するという。
同社は今後、当該新システムの建設現場への適用拡大を図るとともに、これを「TSA」に活用し、CO2排出量実質ゼロに向けた取り組みを一層加速させていく。将来的には同システムの建設業界への展開を目指し、業界全体でのカーボンニュートラルに貢献していく構えだ。