洋上風力発電ビジネスを気象のプロ集団がサポートする

持続可能な社会の実現を目指す。世界では再生可能エネルギーの導入が推進され、洋上風力発電事業に参入する企業が増えている。そしてそれに特化した気象情報へのニーズが高まっている。

「船乗りの命を守りたい」「いざという時、人の役に立ちたい」との思いで起業してから約50年にわたり、航海、北海油田開発、大型海上工事、空港建設、浮体式生産貯蔵積出設備などの業務支援を通じて、海運会社、荷主や船主等に貢献してきた。歴史と共に、風力発電量の予測サービスなども展開している。ウェザーニューズは今月7日、洋上風力発電市場向けの新規事業を立ち上げた。

冒頭のニーズの高まりを受けて、専門スタッフによる支援やより高度なサービス開発の必要性を確認し、洋上エネルギー気象チームを新設した。新部署では、洋上風力発電事業に関する全業務を総合的に気象面で支援する。海上の風、波、海流を1〜2kmメッシュで予測するAIを活用した高解像度予測モデルの開発に取り組み、粒度の高いサービスを提供していく。

顧客の事業性調査では、過去数十年の風と波のデータを分析してビジネス性の高い発電設備の設置場所を選定する。工程計画の策定段階では、蓄積した気象データベースから統計的に作業が可能な日数を算出し、月単位での工程計画策定・修正を支援する。施工が始まると、現場のピンポイントな風や波の予報を提供し、気象リスクの高い時間帯を避けた安全な作業の実施をサポート。

発電設備の建設後は、高解像度予測モデルを用いた発電量予測や作業船の運航可否情報などを提供し、運用や保守点検を支援する。同社は現在、海上の風・波・海流を高解像度で予測するAI技術を用いた予測モデルの開発に取り組んでいる。同モデルは従来モデルよりも5~10倍の解像度で、洋上の局地的な風、波、海流の強弱を表現できる。この予測を活用し、洋上風力発電事業に特化したきめ細かいサービスを提供していくという。