日本では、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)技術などを現場で活用する、コンピュータ科学ベースのヘルスケア・医療DXとともに、超高齢社会への突入を背景とした、患者一人ひとりに最適化された個別化医療が進み始めている。なおかつ、眼科分野における診断機器は大きく進化していて、多角的な情報収集が可能となってきた。また、全身疾患において、眼に特徴的な変化が見られるという新たな報告もされている。
最先端の眼科診療機器は、眼科だけではなく、全身疾患への評価にも使用できる。眼における健康情報に加えて、通常の健康診断情報や生活習慣に関する調査データなどを統合して解析することで、未病段階の健康状態や疾患の早期発症予測・診断が可能になる、と期待されているという。
ロート製薬、大阪大学大学院医学系研究科眼科教室(西田幸二教授)、SAI(代表取締役:福間康文)の3者は今月7日、眼の情報から全身の健康増進を実現する新しいソリューション創出に向け、共同研究契約について合意した。医学系研究科が有する眼科の知見や診断技術、SAIが有する情報科学分野における知見や独自のAI分析技術、ロート製薬が有するコホートデータや製品・事業開発力を活用して――
個別化医療や予防医療といった新たなヘルスケア事業の創出に向けて連携していく。3者が提携することで、疾患発症の早期予測・診断を実現し、その疾患を回避できるイノベーションの創出を推進していくという。ロート製薬は、健康寿命が延伸され、人生100年を通じて誰もが健康で活躍することができる社会の実現に貢献していく構えだ。