建築土木DX、現場の重機をスムーズに遠隔操縦する

熟練職人の高齢化や若手就業者の減少が進み、インフラ補修工事や災害復旧工事への対応が困難な状況にある。建築土木業界では、従来の危険で過酷な現場のイメージを払拭し、性別や年齢を問わない多様な人財を呼び込むことで、労働力を確保していくことが急務となっている。

そのような状況下で、安全安心な作業、快適な労働環境を実現する重機の遠隔操縦が着目され、技術開発が進められているという。NECは、無線ネットワーク環境において、重機のスムーズな遠隔操縦を実現するサービスを10月より提供する。建設現場を想定した実証フィールドを我孫子事業場に設立し、サービスの検証や新サービスの開発に活用していく。

来月からの「重機遠隔操縦サービス」には、通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像伝送と操作を可能とする適応遠隔制御技術を活用。これにより、通信品質の変動が頻発する無線環境下でも、遅延を予測して安定した映像を伝送する。操作コマンドの到達遅延も予測し正確な操作を実現するため、長時間にわたってスムーズな遠隔操縦が可能となる(作業効率アップ実証記事)。

無線通信品質に応じて動的に映像伝送量を制御するため、通信容量マージンを減らしてのカメラ台数増や画質向上、操作性の改善が可能になる。上記技術により、現場の追加・変更や制御エリアの変更にも柔軟に対応し、全国どこからでも施工に参加できるという。上記実証フィールドには、小型バックホウでダンプカーに土砂を積み込む作業を、無線ネット経由で操縦室からできるリモート環境が整備されている。

同サービスを「NEC Visionary Week 2021」で紹介する。NECは、無人施工を様々な産業に展開することで、ネットワークを柔軟に活用し、人・モノに必要なデータを賢くつなぐ「NEC Smart Connectivity」の提供を加速し、新たな社会価値を創造していく構えだ。