eKYCの利用場面1位は金融系サービス、拡大希望は行政手続

犯収法(犯罪収益移転防止法)で本人特定事項の確認と規定されている。「本人確認」は公的個人認証サービス等の電子証明書を用いた方法が整備されてあった平成30年、同法施行規則改定に伴い、デジタル化が進展した。

顧客を知る(Know Your Customer)しくみは、スマホの普及とともに、電子的なもの「eKYC」として多くの人に認知され、金融分野からさらに幅広い産業・社会インフラサービス分野へと、その活用シーンが広がっている。日本でデジタル庁が発足する前に、MMD研究所は、本人確認サービスとデジタル身分証を提供するTRUSTDOCKと共同で、「オンライン本人確認(eKYC)に関する利用動向調査」を実施――

eKYC未利用者を含めた10,000人を対象にeKYCの認知やイメージを聴取した。その中から抽出した20歳~69歳のeKYC利用経験者の男女500人を対象に、7月21日~26日、実態調査を行った。結果、利用場面の上位は「銀行・証券口座」など金融系サービス、「フリマやオークションの登録」「通信会社での契約(eSIMなど)」 であった。

利用した理由は「使おうとしたサービスから案内されたから」「郵送や訪問などの手間がかからないから」「手続きする場所を問わないから」とのこと。eKYC利用者のうち85.2%が次回以降もeKYCを利用したいと回答し、その理由は「ネット上で完結できたから」が最多で65.7%。一方、次回以降利用したくないとした人たちは、「データの保管が不安だから」「何度も撮影したくないから」としている。

対面での本人確認よりも、eKYCを採用しているサービスを選びたい人は57.0%。そのうち、サービスを拡大して欲しいジャンルの上位は「行政手続き」、「銀行・証券口座開設」など金融系サービス、「ネットでの資格証や証明書などの発行」だったという。元の利用動向調査データはこちらから。