特高受変電設備をIoT化、変電所全体のスマート保安を実証する

少子高齢化が進むこの国では、長期的には人材不足と技術継承が課題となっている。産業と社会を支える受変電設備は、高経年化のほか、災害の激甚化やテロリスクへの対応が求められている。いま、コロナ禍においても設備を安定稼働させることは人々の安心・安全のために極めて重要である。

それらの課題を解決するために、先進的ITを活用して稼働データを常に収集・監視する手法が広く採用されつつあるという。明電舎は、スマート保安(参考:経産省PDF)の実現に向けた取り組みとして、沼津事業所内で再構築し運用を開始した屋外特高(特別高圧)変電所にて、構成機器をIoT化し、変電所全体をリモート監視するPoC(概念実証試験)を8月より行っている。

新特高変電所は、主要設備の維持・管理に必要なデータを常時収集することを実現した同社初の実運用施設であり、今回、この実証環境を活用した取り組み、①クラウド、IoT、AI技術を採用したデータの自動収集と解析、②点検業務省力化の検証、③テストベッドによる次世代製品の開発により、同社製品のスマート保安対応を加速させるという。

①では変圧器C-GIS、高圧盤、所内変圧器盤から必要なデータ(メータ指示値、装置の入り/切り表示等)を収集し、クラウドへ常時蓄積する。帳票作成や異常発生時のメール発報、グラフによる傾向分析などの機能について、サービス提供を目指す。②では、複数のカメラやセンサーが収集したデータを活用して、点検業務に必要な一年間の作業量を9割削減できるようサービス設計を行った――

そして今後、日常点検・定期点検におけるシステムの有効性や業務省力化の効果を評価する。さらに③では、収集したデータを活用した設備状態診断機能などの実証実験を行い、その結果を製品・サービスに反映していく予定だという。明電グループは、スマート保安による安心・安全の提供と業務効率化の実現に貢献していく構えだ。