屋内型ドローンによる設備点検サービスをさらなる高みへ

ドローンは次世代インフラの一つに数えられている。その運用システムの実証、ハード・ソフトの開発、社会実装は世界中で競われていて、超高齢社会となった日本では、省人化・省力化を要する点検分野、物流や農業、防災・減災分野などでもドローンの活用が期待されている。

「空の産業革命に向けたロードマップ2021」(官邸PDF)にはそのための環境整備・技術開発・社会実装がタイムラインなどとともに示されている。それらの多く(全てと言っても過言ではないだろう)は、屋外での利活用を前提としている――。ドローンは、屋内の施設点検や自動巡回などにおいても需要があり、その活用が注目されているものの、屋外に比べ実装が難しいとされている。機体等の開発も難しいという。

以前より部材供給・災害対応などでのドローン活用実証やサービス開発を行っている、凸版印刷は、ドローンによる屋内点検サービスを展開するLiberawareと今年8月に資本業務提携契約を締結した。これにより、前者が提供する各種センサーや空間計測技術、サービスオペレーションノウハウ等と、後者が持つドローンを活用した屋内点検ソリューションを融合させた新たな事業の創出を目指す。

Liberawareのドローン「IBIS」は、狭小空間で飛行可能な小型かつ軽量な機体と制御ソフトが特徴だという。凸版印刷は、IBISの優位性を活かし、これまで実証してきた屋内空間データのアーカイブやリッチ化などの設備保守・データ利活用分野を中心に共同研究・開発を行い、従来のサービスにドローンの実装を行う。将来の共同サービス展開も視野に入れている。
 
高セキュリティ環境下でのデータ管理ノウハウをLiberawareのサービスと連携し、屋内点検サービスでのオペレーション構築を行う。同社は23年度までにドローン分野における事業創出を目指し、社会のさらなるデジタル転換(DX)を推進していく構えだ。